第10回

『Deal or No Deal』今年も黒電話は鳴りまくり

*2006-2007年 英国のfree週刊紙「UK JACK」にて掲載されたものです。写真は一部加工されています。

2005年から黒電話は英国で鳴り始めた。

2006年黒電話は強く鳴り響く様になり、数々のTV賞を受賞。

Daytime Programmeの定番となった。

そして昨年末、The Royal Variety Performanceという由緒正しき時の人揃いのShowで、

ついにチャールズ皇太子の前でも黒電話が鳴った。

Channel 4は少なくとも後2年は鳴らし続けると言っているらしい。

その黒電話とは、帰って来た司会者王Noel Edmondsが

ホストをつとめるGame Show『Deal or No Deal』に登場する‘小道具’。

例のThe Banker とやらからのOffer電話だ。

テレビッコは番組開始当初からこの黒電話が気になっていた。

というより『Deal or No Deal』は必ずや流行語大賞、いやそれ以上の代物と睨んでいた。

なんともシンプル且つ功名な番組構成。

クイズに答える訳でなく、体を張って賞金獲得を狙う訳でなく、

ただ22箱から大金が入っている箱さえ当てれば良い。

挑戦者が箱を選ぶ時に流れるのは、お約束的緊張感たっぷりのBGM。

それも何パターンもある訳でなくずーーと同じ。

大金を当てそうになったり、「そろそろここら辺で手を打っとけよ」という時は

馬に与えるニンジンの如くお手頃価格を告げるThe Banker のOffer電話が鳴る。

黒電話がなればBGMがコロリと変わり赤い照明で“勝負の時”を告げる。

シンプルだ。

言い換えればベタな演出だ。

しかし解りやすく、見る者を飽きさせないタイミングをもつ。

よく出来た番組だと感心していた。

聞けば、なるほど、あの『Big Brother』 と同じプロダクションが編み出したコンセプトで、

もはや40カ国以上でヒットしているというではないか。

しかしテレビッコ的にはやはり黒電話のイギリス版が好きだ。

このデジタル世紀に今時黒電話かよ!とまず突っ込みを入れた。

試しにNBCによるアメリカ版のHPを覗いてみたら、

イギリス版とは打って変わって赤いボックスと黒電話ではなく、

22人の美女が笑顔でナンバーの隣に立っていた。

コンセプトは同じでもお国によってこうも印象が変わるのかとつくづく思った。

そしてホストは5年ぶりにTVに復活というNoel Edmonds。

70年代『Top of the Pops』で一世を風靡し、

子供番組から土曜の朝の顔も努め、BBCで『Noel’s House Party』なる冠番組まで持っていた(元?)DJ。

そんなホスト王も60歳を前にトレードマークはズボンにしっかり納めた柄シャツに黒電話。

もはや黒電話なしのNoel Edmondsなど考えられない。

さらにイギリス版はたとえ1pしか残っていなくとも『No Deal』と言い放つ。

英国人の頑固さと賭け事好き加減も楽しめる。

ところであの黒電話の主The Banker、お気づきの方も多いと思うが

テレビッコの経験上大抵番組のピーなんですよね。

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