How Do ‘Producers’ Solve a Problem Like Maria?
10人のMaria候補の内、5人は最初から捨て駒。
なんて言ったら怒られるが、テレビッコの経験からするとそれがオーディション番組の常というもの。
『How Do You Solve—』も最終回に近いから言っちゃおう。
アンドリュー・ロイド・ウエバー氏ほどの大御所なら、主役級のオーラを持つパフォーマーか否か一目で解るはず。
ハナから本命は3−4人だったに違いない。
放送中の数週間でもしかしたら化けるかも?という2人を足したとして、
あとは番組的に盛り上がるようバラエティ豊かな面々にしたというのが本音と推測される。
かつて日本のお笑い界の大御所、欽ちゃん(萩本欽一大将)は、
ディレクターの顔つき一目で「うん、君はゴールデンでヒット番組持てるね」と言い当てた事がある。
ロイド・ウエバー氏然りである。
それがショービス界を制覇してきた大御所の眼力というものだ。
ところが、TVプロデューサーはギャンブル好きだ。
シアターの世界は解らないが、TVのオーディション番組ではプロ級の安定した子より、
ちょっと危うげでもこれから成長しそうな子を好む。
ロングランを狙うなら尚の事。
「う〜ん、もう1回見てみたい」と思わせてくれる子の方が得と睨む。
ここら辺の駆け引きが実にムズカしい。
時に、たった1つの席を巡り、可憐な乙女が泣き笑いする様はどうしてこうも人を惹き付けるのか。
勿論人生の浮き沈みが凝縮されているからだ。
人生におけるポジションは人それぞれ違ったタイミングをもつ。
「今この役は私がやりたい!」と言い張っても、タイミングが合わなければそのポジションにはありつけない。
その時の本人の実力次第。
但し、それは決して人間の器が小さい、大きいなどと言う物差しではない。
要はタイミング。
そして‘タイミングは天下の回転寿司‘。
速攻大トロが来る時もあれば、カッパしかこない時もある。
さらに、稀に強い執念はするっと大トロを呼ぶ魔力を持っていたりする。
そんなミラクルも『How Do You Solve-』のようなオーディション番組で見る事が出来る。
事実、「自分はMaria的キャラじゃない」と気付いてしまった賢い子は早くもその表情から輝きを失った。
逆に「私はまだイケる」と執念を燃やした子は最後まで残った。
正直、あまり周りの反応に敏感じゃない方が人生楽しく過ごせるようだ。
そしてグランプリに輝いた子より、2番手の子の方が将来ブレイクしたりもする。
それもオーディション番組のミラクルの一つ。
果たして『How Do You Solve—』はどんなオチを見せてくれるのか、テレビッコは興味津々だ。