大人がマジで遊んでます。『Top Gear』
パラダイスからのご帰還!?とばかりに華々しく、
危うく命を落としかねなかったジェットカー事故より復帰のRichard Hammondを呼び込み
スタートした現シリーズの『Top Gear』。
車番組、車雑誌と言えば大抵男性向けと据え置かれるが『Top Gear』は別格。
さして車の技術面に興味はないテレビッコもこの番組の“マジ度数”の高さに毎回うっとりする。
まず車紹介の“マジ度”は素晴らしい。
たった一種の車を紹介するのに壮大なカット数を費やす。
前から後ろから、中から外から木陰から、果ては地平線から車がやってくる。
どのショットもちゃんと車に視線がいくよう撮影、
画面にも効果をかけて編集するという細やかさにため息がでる。
これ程車を美しく魅せてくれるとは。
ゲストによるタイムレースも“マジ度数”が高い。
俳優のHugh Grantが出演した時は「Ewan McGregorよりは上にいきたいな〜」とか、
英国出身の現役F1ドライバーJenson Buttonが出演した時も、
納得のいかない走りに「撮影日がとても寒かった。
気温が低いとマシーンへの負担が大きくてスピードがでないんだ」などと懸命に言い訳する。
『Top Gear』で高タイムを出す事はもはやゲストにとっても死活問題なのだ。
極みは、Jeremy、James、Richardという3人の車大好き大人と番組スタッフの遊び心の“マジ度”だ。
毎回3人がそれぞれの個性にあった車を選び、番組の指令にマジで取り組む。
ある時は車をボートに改造し池横断。
勿論水没車あり。
夏のキャンプ季節では「狭い車での寝泊まりの何が楽しい」と
Jeremyが文句を言いながらも車キャンプを試みるが、やはり落ちはキャンプ・カー炎上。
とにかく車を使ってハチャメチャに遊び尽くさないと納まらない。
トラック野郎に扮しライブ終了後の高価な音楽機材運びもした。
が、「え?それだけ?何もぶっ壊してないぞ」と思ったら案の定、
おじ様達はスタジオで反省しきりに直立し「えー、プロデューサーからこれではつまらない。
番組にならんと叱られましてロケをし直しました」と言って始まったのは、
「トラック運送と言えばお引っ越し」という事で高価なアンティーク家具を含めた運送レース開始。
やってくれました。
鏡が割れようが、ランプがトランク内で宙を舞おうがスピード命。
いつもの様に3人はトラックで遊び放題。
『Top Gear』は出演者もスタッフも心底車で遊ぶ事が好きなのだろう。
これぞ大人の遊び方ではなかろうか。
どんなに仕事で疲れても、遊ぶ時は本気で遊び尽くす。
その為のお金に糸目は付けない。
やっぱり大人がマジで遊ぶならGearはTopでなくっちゃね。