第14回

姉さん、イギリスは事件だらけです。『Hotel Babylon』

*2006-2007年 英国のfree週刊紙「UK JACK」にて掲載されていたものです。写真は一部加工されています。

ホテルはドラマの舞台になり易い。

きらびやかな建物の中で渦巻く人間の欲望、葛藤、画策、恋愛。

個室の中には秘密がいっぱい。

ロンドンの一等地にあるという設定の5つ星『Hotel Babylon』 でも

毎回ありとあらゆる事件が同時進行で最低2、3は起きる。

とんでもないお客様達が為出かす騒動に、

ホテルの支配人Rebecca&副支配人Charlie率いる従業員達はてんてこ舞い。

時に事件に巻き込まれたりもする。

が、最終的には知恵を絞り、するりと騒動を躱していく。

80年代後半の日本のトレンディドラマを彷彿とさせるオープニングだが、

中身に入ってしまえば、現在の話題を意識した事柄をうまく取り込み、

小気味よく1話完結で騒動を終焉させてくれる。

毎週客として登場するGuest Starsも魅力の一つ。

さらりと見て楽しめるエンターテインメント・ドラマだ。

ホテルが舞台の作品として思い出すのはやはり

「姉さん、事件です」の名台詞でおなじみ、石ノ森章太郎氏の漫画をTVドラマ化した『HOTEL』 。

韓流ブームで日本でも放映されたヨン様出演韓国ドラマ『ホテリアー』。

或は大ヒットを記録した三谷幸喜氏脚本・監督映画『THE有頂天ホテル』だろうか。

『Hotel Babylon』 は韓国モノ程従業員の色恋沙汰には執着しないし、

日本モノ程人情に熱くなく、有頂天でもなくコミカル。

ある意味イギリス的個人主義の世界で物語は進行する。

Babylon従業員達のキャラクター設定もしっかりしているから見ていて納得感があり、

前シリーズで安定して高視聴率を取っていたのも頷ける。

支配人Rebeccaはあくまでもクールなキャリアウーマン。

Charlieは頭の回転が早く人情味豊か、

従業員とRebeccaの仲介役。

玉の輿ねらいの受付係Annaは好奇心旺盛な目立ちたがり屋etc…。

つまりホテルドラマは、ゴージャスな異空間の表と裏、

そしてキャラクター達のONとOFFの顔の両面が見られるから面白いのだ。

宿泊客の前ではどこまでもプロに徹するが、客がいなくなった瞬間に笑顔の裏の本音が出る。

仕事の合間や休息時間に垣間見える個人的な目論みや感情。

クールなRebeccaも気に入らない客には裏で怒りの顔を露にし、スマートに仕返しをする。

人間誰しも表と裏の顔を持つ。

よほど無頓着な性格で無い限り仕事用の外面と一人の時の内面とのバランスを取りつつ社会生活を送っている。

しかし忙しい世の中でONとOFFを上手く切り替えることは結構難しい。

気がつけばずっと八方美人の外面から抜けられず疲れ果て、破綻を来す事もある。

そう感じたら、日頃のガス抜きの仕方を『Hotel Babylon』のキャラクター達に習ってみよう。

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