【ズバリ! 世話焼きおばさんです!!】
幼稚園役員とは何も特別な存在ではなく、幼稚園と保護者のパイプ役であり、子供たちの幼稚園生活を全力でサポートする応援団の様なものです。とりわけ必要なスキルも要りません。まぁこのご時世なので、パソコンを扱えるとやはり大きな戦力となるのは間違いなしです。では一体何をする人達なのか? それは次の~幼稚園役員のお仕事~でご紹介するとして、ここでは、それ以前の心構え的な部分をお話ししたいと思います。
役員はクラスの代表ではありますが、決して保護者の代弁者というわけではありません。ちょっと難しい解釈ですね。保護者の見解や総意をまとめることはできます。そして、その総意を保護者の意思として幼稚園サイドにお伝えすることは可能です。が、決して役員個人の思いを保護者全員の意見かのように代弁することはできない、ということです。ここが難しいところなのです。役員になった途端、幼稚園改革をしたいと意気込んでアレやコレや思いの丈を園にお伝えしようとされる方がたまにいらっしゃいます。もちろん熱意は大いに結構なのですが、役員と言えども保護者の1人に過ぎないのです。どうしても幼稚園の体制や行事の改革をお願いしたいのであれば、一個人の見解として物申すより、毎朝園門や各バス停で署名活動をする、アンケート調査をするなど、保護者の多数意見としてプロポーザルにまとめ、幼稚園にお伝えしてみるのが筋なのではないでしょうか? 幼稚園と保護者のパイプ役と言ったのは、個人の意見を何でも幼稚園に発信して良いという意味ではなく、保護者の総意をお伝えする、幼稚園の方針を保護者に周知していただくというのが本質なのです。
そして忘れてならないのが、あくまでも子供たちメインの集まりであるという点です。役員は、幼稚園の先生方と密に連携しながら子供のサポートをしていくので、どうしても大人同士の付き合いに焦点が向きがちですが、全てのキーとなるのは子供たちです。どうすれば子供たちがスムーズに動けるか、喜んでくれるか、必要なものは何か、それを母親目線で準備・行動するのが役員なのです。先生はあくまでも教育者として子供たちに接します。しかし、幼稚園児は4歳~大きくて6歳そこそこ。まだまだ保護者の手厚い擁護や大人への甘えを許す環境が必要です。その足りない部分を補ってあげたい。そんな心構えも役員には必要なのではないでしょうか。例えば、私が役員を務めていた幼稚園では、発表会のお衣装のお着替えお手伝いという役目がありました。幼稚園の方針は年少さんであれ、『できることはなるべく自分でやりましょう』ですでの、役員と言えど過度なお手伝いは先生から怒られてしまう厳しい園でした。上手く着替えができず泣き出してしまう子がいたくらいです。それでも、お母さん達が側にいて「大丈夫? 背中のファスナー下げてあげようか」「1人でお着替えできそう? 」「手伝ってあげるね」と優しく声をかけてあげるだけで、小さな子にとっては少し安心するのでしょう。大泣きが半泣きになって、鼻をすすりながらもなんとか自分で着替えようとがんばります。年中や年長さんあたりは逆に、「ぼく1人でできるよ!」「わたし、ちょうちょ結びほどけるの」とちょっと自慢げに報告してくれたり。先生ではない保護者がいることの安心感を与えてあげるのも役員の務めのように思うのです。
つまりは、”世話焼きおばさん”という一言に尽きるような気がします。世話焼きおばさんは法的権力や行使力など何も持っていません。けれども周りをよく見ていて、なんだか大変そうだけど「大丈夫? 手伝おうか!? 」と頼んでもいないのにお節介を買って出る。役員とはそれを公然と許されてやっているようなものだと思うのです。世話焼きおばさんという表現が辛辣なら、親切なお姉さんでも、面倒見の良い大人でもなんでも良いです。我が子の面倒を見るように、他の子の面倒をついでに見てあげる。幼稚園や先生との連携を他のママたちの分まで買って出る。大きく言えばそれが幼稚園役員なのだと思います。それ以上でも以下でもありません。もしあなたが、役員になったのだから”幼稚園改革をしたい””役員体制を見直したい”という大きな意思をお持ちならば、ぜひ会長として活動をしてください。それも、一個人として突っ走るのではなく、保護者を巻き込んだ総意として。それくらいの覚悟を持って”世話を焼く”なら大賛成です。